たからもの

【草薙カヰト様より!!】
草薙カヰト様より!!

神妙な表情で、二人の男、駅に立ち。

【jewel Snow】


粉雪が舞い肌寒さ拭えぬ日のお話。
この日、花京院は、承太郎と別れる覚悟を決めていた。数日前、会えないか、と電話をしてきた承太郎の声は普段と違く暗い声で、ついに現実と対面する日が来たのだと、花京院は悟ったから。いつかこんな日が来ることは分かってはいた。凄く悲しいし、絶望の淵に沈みたいとか、そんな陳腐な表現じゃ表せないくらい、彼の心に 、悲しみが沸いて来る。
でも、承太郎を愛しているからこそ…余計な心配はさせないために、明るい顔で君とお別れしよう。そう決めたのだ。
隣に立ち、コートのポケットに片手を突っ込んだまま、プラットホームから、正面に広がる町並みを眺めている承太郎を見やれば、もうこれからは抱きつくことも触れることも叶わないのだと、改めて感じる事となった。
「………」
承太郎のような誰からも頼られて、皆に必要とされる男はいつまでも、こんな非生産的な関係に溺れていたらいけないのだ。僕の存在は、いずれ君の足を引っ張る事となるだろう。ならば、僕は潔く君の認識する世界から消えよう。

愛しているからこそ。幸せを願うがこそ。

「あのさ…」
粉雪が段々に大粒の雪に変わる。
そんな世界で、目を瞑れば、緊張で早くなった自分の鼓動を感じる。無音の世界で、まるで世界は自分一人のように花京院には感じられた。承太郎すらいないような、まるでこれからの暗示のような。その時、つい目尻が滲んだ気がして、花京院は慌てて目を拭った。
そして
「承太郎、これ食べるかい?」
小さな包みなキャンディーを一つポケットから出して、有無を言わさず彼の口へ。このキャンディーが無くなる前に、承太郎が本題を言わなければ、自分から言おう。
宝石のように輝いて感じた日々も、いつか消えるキャンディーだったのだ。
舐めあって…やがて溶ける、そんなものだろう。
覚悟を決めて、綺麗なエメラルドの瞳をじっと見つめて、さようなら大好きな、君へ、と。
「承太郎…これで、お別れなんだよな?」
その言葉を聞けば、その瞳は見開かれ驚いたような表情の承太郎。面白いくらいに目をしばたかせ、やがて視線を反らし、飴をガリッと噛砕きながらしばし何か考える。どうしたっていうんだ、僕が覚悟を決めて言ったのに。
「何言ってるんだ、てめぇ」
「だって…」
「誰がそんな事言った。馬鹿。俺がしたかった話はそんな話じゃねぇ」
荒い口調でそう言われ、花京院は手を握られる。痛いと反論する間も無く、ずっと仕舞われていた承太郎の片手がやっとポケットから出てきたかと思えば、そのまま指を捕まれた。そして、ぎゅっと何かを押しつけられ…それを見れば、今度は花京院が驚く番だった。
だって、指に付いていたのは指輪だったのだから…
「承太郎…これ」
「やるよ。だから、俺とずっと一緒にいてくれ」
雪へと指輪を翳してみる。
輝きは悲しみと違えた覚悟を拭いゆく。
中に埋めこまれた石は、飴玉に似ていた。
でも、絶対に溶けない。
無くなる事もない。
「えと…もちろん…ずっと一緒にいるさ」
永遠に…

*********
…甘いッ!!!!甘すぎる!
カヰト様のとこの花京院は、ほんっとに可愛いです…!!
乙女!!!(*´∀')
承太郎もかんわいいーんですよ!
こんな素敵なお話をいただいてよろしいのでしょうか…!!!

相互リンクありがとうございます!!これからもよろしくお願いしますー♪




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